2024年7月1日 ー 日本高純度化学株式会社 株主総会について

ひびき・パース・アドバイザーズ(以下、「ひびき」または「私ども」)は日本高純度化学株式会社(以下、英語名略称「JPC」)が2024年6月25日に開催した第53期定時株主総会(以下、「本株主総会」)にて、第3号議案(剰余金の配当等の決定機関に関する定款変更の件)及び第4号議案(自己株式取得の件)の株主提案を行いました。

6月28日にJPCより提出された臨時報告書によると、第3号議案に関しては、約40%の賛同を得ることが出来ました。私どもの株主提案に賛同をいただきました多くの株主の皆様には心より感謝申し上げます。有難うございました。誠に残念ながら同議案は否決となり、同第3号議案の可決が上程の条件であった第4号議案は採決されませんでした。しかしながら、私どもの株主提案につき約4割の株主の皆様にご賛同いただいたという結果を見ると、JPC取締役会に対しては株主による強いメッセージが提示された形となっております。

東洋経済新報社、会社四季報2024年夏号における上位30株主のうち、JPCの関係者あるいは持合い関係株主だと推測される株主らの議決権合計約15,000個を計算から除外した場合¹、第3号議案は、一般の個人株主や機関投資家株主等の約60%の賛同を得た計算となります。これは、持合い関係に左右されない一般株主等の強い意志の表れであり、JPC取締役会は真摯にこの事実を受け入れ、今後のガバナンス設計の改善に役立てるべきと存じます。

JPCと持合い等の関係にない機関投資家を含む一般的な株主の過半を優に超す票が、私どもの株主提案である第3号議案を支持したとみられることは、「配当等の決定を株主総会の権限としない」とするJPC経営陣の姿勢に対し資本市場が批判的であることの証左であり、ひびきは今般の株主提案がJPCの企業統治、中長期的な企業価値の向上の観点からも、正鵠を得ていたと確信しています。

また、本株主総会における小島社長に対する取締役再任の賛成割合は75.7%となり、昨年度の81.1%よりさらに大きく下落しております。先述と同じように、会社関係者や持合い関係株主を除いて計算した場合²、一般の個人株主や機関投資家株主等による賛成割合は65%を下回っております。会社関係者以外の相応の数の株主が、現在の小島社長の経営手腕に懸念を抱いていることが見て取れます。私どもとしても、長年、JPC社を応援して参りましたが、事業の現状及びその経営姿勢に関しては強い危惧を抱いております。小島社長への批判票の増加は、既述のような第3号議案への支持、すなわち、「配当等の決定を株主総会の権限としない」JPC経営陣の株主軽視の姿勢への非難も原因ではないかと私どもは考えます。

私どもは、JPC取締役会に対し、本株主総会の結果の本質的な部分を真摯に受け止め、政策保有株式の処分のみならず、過剰資本状態に陥っているバランスシートに対する抜本的な改革案の提示をすること、および、ROEなど定量的な目標設定があり、なおかつ、実効性のある中期経営計画の再設定をすることを、強く求めていきたいと存じます。

¹ 会社関係者及び政策保有相手は株主提案に反対したと仮定しています。
² 会社関係者及び政策保有相手は小島取締役再任に賛成したと仮定しています。

過去の当社へのエンゲージメントは、下記リンク先資料及び動画をご覧ください。
2024年6月16日 ー ひびきの株主提案にISS推奨表明
2024年6月3日 ー 日本高純度化学株式会社 株主提案書 説明動画について
2024年5月24日 ー 日本高純度化学株式会社 株主提案について


尚、本投稿は、特定の有価証券の取得の申込みの勧誘若しくは売買の推奨又は投資、法務、税務、会計その他いかなる事項に関する助言を行うものではありません。


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