Vo. 14: ホーカー・センターの食文化 (2021年9月1日)

こんにちは!ひびきのユリアーニ・スワナ(Yuliani Suwarna)です。突然ですが、皆さん「ホーカー・センター」についてご存知でしょうか?フードコートのようなものと言えばしっくりくるかもしれません。シンガポールではクーラーなどが設置されていない屋外のフードコートをホーカー・センターと呼びます。ホーカー・センターはシンガポール特有の文化であり、シンガポール人の日常を支える大切な存在です。

多民族国家だけあって、ホーカー・センターでは中華料理、マレーシア料理、インド料理や西洋料理など、世界中の料理を食べることができ、また食事だけでなくデザート、スナック、ドリンクまで楽しめます。このような国際色豊かな料理の数々は、シンガポールに移住してきた様々な移民グループの食文化に由来しています。過去に輸入された各国の食文化が、時を経て味を進化させ、今ではシンガポール人が愛する独自のシンガポール料理として食され、シンガポールの食文化の重要な一部を担っています。

シンガポールのホーカー・センターは、現在政府の環境省にあたる機関(The National Environment Agency (NEA))によって所有・管理・運営されています。定期的に清掃を行い、清潔で衛生的な環境で、さまざまな人が食事を楽しめるように政府の手でしっかりと整備されているのです。

ホーカー・センターの紹介

シンガポールには100カ所以上のホーカー・センターがありますが、何十年も営業している所もあります。例えば多くのインド人が住むリトルインディア地区に所在するテッカセンター(Tekka Centre)は1915年から営業しており、100年以上シンガポールの人々の日常を支えてきました。2階建てのホーカー・センターの中では、料理だけではなくインドの伝統的な衣装やその他の衣類、新鮮な野菜、果物、シーフードなど日用品を売る売店も多く見られます。

 

私たちのオフィスから徒歩圏内にあるチャイナタウン・コンプレックス・フードセンター(Chinatown Complex Food Centre)はシンガポールの中でも最大級のホーカー・センターです。ホーカーで初めてミシュラン一つ星を獲得したホンコン・ソイソース・チキン・ライスヌードル(Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice and Noodle)もここで屋台を構えています。私も実際お店に行って、醬油ダレの麺「ソイソース・チキンヌードル」を注文してみました。長い行列ができていましたが、とても美味しかったです!たったの300円(SGD3.50)という破格の値段でミシュラン料理を食べられるのは、シンガポールの一つの魅力だと思います。

       

また、この近くにはさらに、観光客の間でも有名なマックスウェル・フードセンター(Maxwell Food Centre)やホンリム・マーケット&フードセンター(Hong Lim Market & Food Centre)といったホーカー・センターもあるので、飽きることなく食べ歩きができます!

 

ホーカー・センターにまつわる習慣

ランチタイムになるとホーカーズ・センターはよく混みあうので、座席を確保するのがとても難しいです。そこで、ティッシュを座席に置き、席を「予約」するという独特な習慣が存在します。ティッシュのほかに、傘を置く人もいれば、中には名刺まで置いてしまう人もいます。座席の予約の仕方で、その人の性格が表れてとても面白いですね。日本でもフードコートなどで自分の荷物を置いて席を確保する習慣があると思います。盗難に遭う心配の少ない、治安の良いシンガポールと日本ならではの習慣とも言えそうです。

日本のフードコートではすべてセルフ・サービスで、食事を終えた後の片づけまで自分でやることが当たり前の習慣だと思います。実はつい最近までシンガポールのホーカー・センターでは、自分で片付けなくても、食後に使用済みの食事トレーを片付けてくれる清掃員がいました。しかし現在では、衛生当局が食器回収ステーションを各ホーカー・センターに設置し、自分で使った食事トレーは、自分で所定の場所へ片付けることが義務化されています。また、テーブルの上にゴミを放置することは、環境公衆衛生法により法律違反となりました。コロナ禍の中でも安心して快適に食事ができるよう、衛生管理が進んでいます。

余談にはなりますが、2020年の12月にシンガポールのホーカー文化がユネスコ無形文化遺産として登録されました!2015年に世界遺産として登録されたシンガポール植物園以来なので、シンガポールにとっては2つ目の世界遺産登録になります。

シンガポールを訪れる機会がある時は、シンガポールでしか食べられない食文化を経験するため、ぜひホーカー・センターを訪れてみてください。有名なシンガポール料理のチキンライスも楽しめます。その際は、地元民と同じようにティッシュで席を予約してみてください。また、食後は食事トレーやごみをきちんと片付けるのを忘れないでくださいね。

 

ユリアーニ・スワナ(Yuliani Suwarna)

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