Vo. 13: 秘境ウビン島 (2021年8月18日)

こんにちは、ひびきのファティン・アミラ(Fatin Amirah)です。今回はシンガポールに存在する神秘に満ちた島をご紹介します。この島は日本のガイドブックにはほとんど載っておらず、知る人ぞ知る秘境です。

シンガポールの北東の沖合に浮かぶウビン島(Pulau Ubin)という離島です。シンガポールの離島の中では2番目に大きく、「花崗岩島」とも呼ばれています。過去には島に3000人ほど暮らしていましたが、現在では住民もわずかしか残っていません。かつてウビン島は花崗岩の採石場として栄え、島でとれた花崗岩は本土の道路や灯台の資材として使われていました。しかし1999年にすべての採石場が閉鎖され、古い遺跡となった採石場は今では自然に還り、雨水が溜まり緑に覆われている状態です。現在は魚などの様々な生物が旧採石場跡に生息しており、観光名所となっています。大変美しい景観ですが、採石場内でのダイビングはまだ危険なのでおすすめしません。

この島の由来はブタとゾウとカエルの間でのレース競争から始まったという言い伝えがあります。3匹の動物たちは、シンガポールからスタートし、マレーシア半島の本土、ジョホールの海岸へ誰が一番早く泳いで辿り着くか競ってレースをしようとしました。そして一番遅く到着したビリは石になってしまうという罰ゲームを決めました。しかし結局3匹とも泳いで辿り着くことが出来ず失敗してしまい、ゾウとブタはウビン島に、カエルはウビン島の南にあるセクドゥ島(Pulau Sekudu)という島に変身してしまったと言われています。

島にはいくつかの観光名所があります。例えば、7階建てのジェジャウィ・タワー(Jejawi Tower)からは、海岸線や森林の美しい景色を眺めることができます。島で一番標高が高いプアカの丘(Puaka Hill)は標高74mで、ここからは対岸のマレーシアを見ることもできます。もし頂上まで足を運ぶ場合は、滑らないように運動靴を用意することをおすすめします。

ウビン島まではチャンギ・ポイント・フェリー・ターミナル(Changi Point Ferry Terminal)から船でわずか15分で到着します。シンガポールの高層ビルが立ち並ぶ都会の喧騒から離れたら、正反対の自然豊かな環境がウビン島にはあります。特に初めて行く方には、事前にいくつか準備をしておく必要があります。島での支払いはフェリーを含め、現金しか使えないので注意してください。またATMはありません。蚊も多いので、虫除けスプレーを用意しておきましょう。

島内ではサイクリング、キャンプ、トレッキング、釣り、カヤックなど様々なアクティビティを楽しむ人が多いです。その他に本土の都心部ではなかなか味わえない、新鮮なシーフード料理を食べに行く人もいます。

サイクリングをする場合、来訪者向けのレンタルショップで自転車を借りることができます。多くのサイクリング愛好家が訪れるため、森やマングローブのエリアにも、サイクリング・コースが綺麗に整備されています。道に迷っても交番がありますのでご安心ください。また、スコールが降ることがあるので、カッパや傘を持っていくことをおすすめします。

キャンプをする場合は、許可が必要になります。キャンプできる場所も指定されています(Jelutong、Mamam、Endut Senin)。島にはコンビニ等がないので、事前に軽食を用意しておいたほうがいいです。また、島のサルたちに食料が盗まれないように気を付けてください!島の生態系を守るために、ごみはしっかり持ち帰りましょう。指定場所ではキャンプファイヤーなどの楽しいイベントができるので、友人や家族と一緒に行くことがおすすめです。同じシンガポールとは思えない自然豊かな場所で、都会の暮らしの忙しさから距離を置きつつ、刺激的なコントラストを味わうことができますね。

いかがでしょうか?ウビン島にはシンガポールに残された最後の村が存在し、歴史も自然も豊かで、シンガポールにとってはかけがえのない存在です。ぜひ一度、遊びに来てみてください。

 

ファティン・アミラ(Fatin Amirah)

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