2022年4月28日 ー 日本高純度化学株式会社 決算コメント

私たちの主要投資先の一社である日本高純度化学(4973、以下「当社」)が4月25日に決算発表、そして4月27日に決算説明会を行いました。

小島新社長の初めての公の場での社長としての登壇でした。少し固さがあったような印象ですがしっかりとこなされていました。今期の予想に関しては、半導体不足やウクライナでの紛争など様々な不透明要素がある中でも数量は伸びるという見通しの部分には、控え目な表現ながらも自信を感じ取ることが出来ました。

また、同時に発表された中期経営計画と“RDD2030ビジョン”の「骨子」(数値目標含む内容は7月に改めて発表されるとのこと)、の中で高いメッキ技術を武器に、電池材料分野の開拓を試みる意欲的な姿勢が示されました。中長期的に大変楽しみな内容です。

資本政策としては、昨年の創立50周年を記念し、2022/3期は10円記念配の形で増配し年間90円とされました。しかし今期利益予想は堅調ですが、配当を80円に戻すことを嫌気されたのか、決算発表の翌日の株価は6.3%下落しております。利益水準が変わりつつあるにも係わらず、過去10年間と同じ配当水準に戻すことには私どもも大変残念に思います。資本政策の考え方が依然PL(損益計算書)発想でBS(バランスシート)思想になっていない証でもありましょう。ちなみに、一株当り純資産(BPS)は過去10年で1,139円から2022/3期の2,417円まで2倍以上に増えていますが株価は10年前とほとんど変わらずです。

当社の現在の時価総額はおよそ145億円ですが、バランスシートには有利子負債はなく、現金と投資有価証券が合計123億円あります。つまり差し引いたネットの時価総額は22億円となります。純利益が10億円程度の会社の事業評価が22億円というのはいかがなものでしょうか?ROICも高く、技術も将来性もあると目される素晴らしい会社がこの程度の評価であることの主因は「PL発想の資本政策」にある、と私どもは考え、引き続きその姿勢の転換を求めていきたいと考えます(清水)。

尚、本投稿は、特定の有価証券の取得の申込みの勧誘若しくは売買の推奨又は投資、法務、税務、会計その他いかなる事項に関する助言を行うものではありません。

決算説明会資料:2022年3月期 決算説明会資料

投資先紹介:日本高純度化学 (4973)

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