2022年10月25日 ー 日本高純度化学株式会社 決算コメント

主要投資先の日本高純度化学(4973、“当社”)が昨日2022年3月期中間期の決算を発表しました。

当社は、国内外の同業者が羨む極めて高度な貴金属メッキ技術を有する稀有な企業として私どもが長年応援してきた企業です。残念ながらその稀有な技術と時代の求める技術の差に苦しみ、過去10年程その業績が横ばいの状況でした。ただ、今年7月に発表した中期経営計画では、営業利益レベルを2030年に3倍増の30億円に増加させる意欲的な計画となっており、期待感が強まりますが、足元は半導体市場の停滞の煽りを受けたことなどにより、昨日残念ながら通期業績予想の下方修正を発表しました。具体的には、通期営業利益予想は12.1億円から8億円への下方修正となりました。

この修正は、外部環境の影響もあり、致し方ない面も多々あると感じております。しかしながら、同時に、発行済み株式の7.3%に及ぶ自己株式(46万株)のおよそ半分の25万株の消却、及び、さらなる12万株の(発行済み株式の2%)の自己株買いを発表したことについては足元の業績がいかなる状況にせよ、当社経営陣が自社の価値及び将来性に関して「強い確信がある」、という骨太のメッセージを発したとして高く評価させていただきたいと思います。

昨日の終値(2,446円)でPBRは1.01倍となっており、また、その時価総額の154億円に対して、2023年9月中間期にて現金及び有価証券の価値は繰延税金負債を差し引いても100億円あります。企業価値は54憶円(154億 – 100億)であり、利益低迷期である過去5年平均のEBITDA11億円強に対して5倍弱となっております。

今後は、当社が発表された自社株買いを実際に本格的に、断行するか、という点、また、事業面ではインフレ時代の荒波を乗り切れる必要な値上げを顧客に対して断行していける強い営業力があるか(当然あるべきです)、注視していきたいと思います。この二つの「断行」の可否は他の株主の皆様にも注目いただきたく存じます。

尚、本投稿は、特定の有価証券の取得の申込みの勧誘若しくは売買の推奨又は投資、法務、税務、会計その他いかなる事項に関する助言を行うものではありません。ご了承いただきたく存じます。

投資先紹介:日本高純度化学 (4973)

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