2023年6月27日 ー 株式会社河合楽器製作所 株主総会について

ひびき・パース・アドバイザーズ(以下、「ひびき」)の清水雄也CIOは6月27日、株式会社河合楽器製作所(証券コード7952、以下「KAWAI」)の定時株主総会に株主として出席致しました。

私どもはKAWAIの有する世界的にも評価の高いブランド価値が資本市場では認識されていないと感じており、5月8日にKAWAI経営陣に「企業価値向上施策提言書」を送付しました。また、5月下旬には意見交換会を実施し、エンゲージメント・フォローアップ動画を公開するなど、KAWAIを応援する一株主として建設的なエンゲージメント活動を実施いてまいりました。

株主としての応援、そして経営陣に対するKAWAIのブランド価値と資本市場での評価の乖離について改めてご認識していただくべく、今回、株主総会に出席し、河合弘隆代表取締役社長兼会長と河合健太郎取締役副社長に質問と提言をさせていただいました。

今回のKAWAIの株主総会でひびきの清水からは以下のように質問をさせていただきました(要約):

御社の業績は今期、減益ではあったが利益率は過去より全般的に改善している。中計内でも利益率の改善は謳われているが、継続して安定的に営業利益率で7%から10%を是非とも実現し、強い会社となってほしいとしてほしい。そのためには勿論ブランド価値のさらなる向上が必要であろう。ただ、質問としては、私は資本市場の人間として御社の資本市場における評価とブランド価値に大きい乖離があると考えている。PERで見るとは御社は今期予想で8倍、音楽メーカー最大手のYAMAHAが24倍であり、御社は東証株価指数の平均の14倍程度を大きく下回っている状況である。私としては、KAWAIの世界一のピアノメーカーになるという道筋を応援しているが、とはいえ、現状の市場評価が低すぎるのではないかと考えている。会長兼社長もしくは副社長より、自社の株式価値の評価についての感想を、「株価は市場が決める」という枕詞があるが、そのうえで、敢えてのご意見を伺いたい。

河合副社長からは以下のようにご回答いただきました(要約):

弊社の株価は我々もまだ満足するレベルにあるとは思っていない。まずは確実に現在掲げている中計の達成をすることが大事であり、さらに引き続きROEを向上させていきたい。私どもとしても、IR活動の強化を急務の課題と認識しており、それもあって本年4月コーポレート戦略本部を新設した。この本部は、IR対応を一気に引き受ける部門である。今までのIRの活動が十分だったとは思っていない。キャッシュアロケーションの開示などの投資家に有益なディスクロージャーをさらに行い、株主の皆様との対話で弊社の戦略とキャッシュアロケーションについて理解してもらう。株主還元については、状況を踏まえながらもっと施策など検討していきたいと考えている。将来の成長に期待していただけるよう努力することで、株価をあげていきたいと考えている。

このように、河合健太郎取締役副社長自らの言葉により、現状の株価に満足しておらず、株価を上げるためアセットアロケーションの適切開示のIRの強化などを行うだけでなく、ROE向上をもとに力強い成長を目指し、株価について向き合うという姿勢を聞くことが出来ました。

また、別途、清水より、取締役会のスキルマトリクスにつき、ブランディング戦略及び音楽の知識を有する取締役の数が相対的に少なく、今後その分野に長けた人々を経営の中枢である取締役として積極的に登用いただきたいという意見もさせていただきました。

ひびきといたしましては、KAWAIのブランド価値が株式市場に適切に認識、評価されるよう引き続き積極的にエンゲージメントをさせていただこうと決意を新たに致しました。


本投稿は、特定の有価証券の取得の申込みの勧誘若しくは売買の推奨又は投資、法務、税務、会計その他いかなる事項に関する助言を行うものではありません。

関連記事

RSS 関連ニュース

ページ上部へ戻る